看護師の残業の実態と残業代について

入院施設を兼ね備えた大きな病院などで働く看護師は残業が多い傾向にあります。人の命を守る職業柄、残業は当たり前と見なされ、特に定時で帰るのが難しい仕事として挙げられます。

看護師の残業が多い原因として言えるのが、とにかくやることが多岐にわたっているという部分です。患者さんの日常ケア、ナースコールの対応、看護記録、そして日勤から夜勤への引継ぎや研修会と、とにかくタスクが多すぎて規定時間内に仕事を終わらせることが難しい現状があるのです。

こんなに残業が多いとなれば、残業代がきちんと出るのか気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。残業代の出し方は、職場の雇用形態によって内容は異なります。中にはいくつかのパターンがあります。

一つ目が、給与に元々みなし残業代が含まれているパターンです。残業代としてではなく、残業することを前提として給与を設定している形式です。その設定方法が曖昧で、きちんとお金をもらえていないような気持ちになり、不服を訴えるケースもあるようです。

二つ目は、自己申告制のパターンです。残業した時に自分で申告して残業代を請求するというシステムですが、残業が当たり前という環境上、申告しにくいような雰囲気になっているケースもあります。とはいえ、それは労働のルールとして違反であるため、きちんと声を挙げていくことが大事です。

そして三つ目は、そもそも残業代が出ないパターンです。残業が当たり前の職場環境である場合、サービス残業も当たり前になっていることがあります。もちろん法律では、残業をしたらきちんとその分の報酬を出すことが決められています。明らかにサービス残業を強いられている実情があるのなら、労働基準監督署などに相談してみることをおすすめします。